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オーランドのショーレストラン


フロリダ州オーランドは全米一の観光地。
にも関わらず、日本からの観光客は米国内の他の観光地よりも割合としてはかなり少ないらしい。
一番の原因は直行便がないことと言われている。日本人観光客は乗り継ぎを嫌う傾向が他の国の観光客よりも強いらしい。
ならばなぜオーランドへの直行便が用意されないのか不思議だが、何か理由があるのだろう。

そんなオーランドには日本人があまり行かない観光施設も数多い。
各種存在するショーレストランはその典型。
確かに英語力を必須としてしまう内容が多いので、一般的に英語が苦手な日本人は敬遠してしまうと思うが、多少でも英語に自信があれば、アメリカらしい観光地の楽しみ方としてショーレストランを経験してみるのも良いと思う。
それぞれが趣向を凝らして集客しているので面白い店が多い。

TreasureTavern(トレジャータバーン)

TreasureTavern(トレジャータバーン)

TreasureTavern(トレジャータバーン)

オーソドックスなディナーショーレストラン。
内容はコメディを中心に曲芸、マジック、ダンス、ライブ演奏と多種多様な出し物で2時間という構成。食事は3種類から選べるコースメニュー。アメリカ人観光客の評判はとてもいい代表的なショーレストラン。
場所もインターナショナルドライブから近く、I-RIDE等でアクセスしやすい。

PiratesDinnerAdventure(パイレーツディナーアドベンチャー)

PiratesDinnerAdventure(パイレーツディナーアドベンチャー)

PiratesDinnerAdventure(パイレーツディナーアドベンチャー)

海賊を題材にしたショーレストラン。ショー自体は子供向けというわけでもなく、かなり本格的な舞台セットで上演されるらしい。食事の内容についてはかなり賛否が分かれている。
こちらも場所はインターナショナルドライブから至近。

AlCapones(カポネ)

AlCapones(カポネ)

AlCapones(カポネ)

禁酒法時代の密造酒場を模したショーレストラン。テーマからしてアダルトな内容を連想してしまうが、ショー内容は子供も安心して楽しめるものらしい。実際料金表には4歳以上から子供料金、4際未満は無料と表示されている。ショー自体の評判はとてもいい。
食事はビュッフェなのであまり評価する人はいないが、酷評もあまり無いので、ビュッフェとしては及第点の内容と思う。場所はキシミー地区。

Titanic Dinner Events(タイタニックディナーイベント)

Titanic Dinner Events(タイタニックディナーイベント)

Titanic Dinner Events(タイタニックディナーイベント)

タイタニック号の乗船客となって、船長をはじめとした乗務員、上流階級の乗船客、二等船室の乗船客等と食事を体験するという趣向のショーラストラン。
もちろん会場はタイタニック船内を模している。これは現在、金曜と土曜のみのディナーイベントとなっている。評判は賛否両論だが、食事の内容はこの手のショーレストランのものとしては豪華な模様。(そこは一応タイタニックのメインダイニングなので)
場所はタイタニック号の引き揚げ品等を展示するTitanic: the Artifact Exhibitionと同じで、インターナショナルドライブ沿いの好立地。

どれも英語力がないと厳しいのは確かだが、海外旅行の楽しみの一つは、現地の人達と一緒に楽しむという事もあると思う。
個人的にはカポネにとても興味がある…。

オーランド旅行記 目次


スプラッシュマウンテン


ディズニーランドのアトラクションの中で一番好きなスプラッシュマウンテン。
娘は落下するアトラクションが嫌いなのであまり乗れないのが残念…。

スプラッシュマウンテンに初めて乗ったのは20年以上前、初めてアナハイムのディズニーランドに行った時だと思う。現在では東京ディズニーランド、アナハイムのディズニーランド、そしてオーランドのマジックキングダムに存在する。

個人的にはこのアトラクションがディズニーらしさを一番感じる。
ほぼのんびりしたボートライドで、一度きりの迫力ある水面への落下という構成がいい。
スプラッシュマウンテンもそうだが、ディズニーパークには所謂「古き良き南部」をコンセプトとしたアトラクションが他にも存在する。蒸気船やトムソーヤ島なんかは正にそれだ。
初めてオーランドのWDWを訪れた時に宿泊したのが、デキシーランディングリゾート(現ポートオリンズ・リバーサイドリゾート)だったが、「風と共に去りぬ」で観たような、昔のアメリカ南部の風情に溢れていて素敵な場所だった。(デキシーランドとはアメリカ南部のこと)

スプラッシュマウンテンは「南部の唄」という1946年のディズニー映画を題材としたアトラクションなので、この「古き良き南部」という雰囲気があることは当たり前なのだが、残念ながら映画「南部の唄」はもう観ることが出来ない。
もうアトラクションでしか聞けない「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー(Zip-A-Dee-Doo-Dah)」はアカデミー歌曲賞もとっているし、主役のリーマスおじさんを演じた黒人俳優、ジェームズ・バスケットがアカデミー特別賞も受賞している。

南部の唄

実写をメインに、アトラクションにも出てくる南部の動物たちがアニメで合成されている、「メリーポピンズ」の様な作品だ。

かつては日本でもビデオが販売されていたので、私は滑り込みセーフでレンタルして観たことがある。現在は絶版で、アメリカでも再公開の予定はないとのこと。
理由は当時の奴隷制の実態を正しく描いていないという、全米黒人地位向上協会からの強い抗議によるもの。確かに「古き良き南部」は当時奴隷であった黒人達から見れば、決して「古き良き」ではないわけで、この辺は難しい。

ただ、映画自体はとても良い作品だったので、スプラッシュマウンテンの元の映画を娘に見せてやることが出来ないのは、やはり残念。
奴隷制度の実態を正しく描いてはいないかもしれないが、誰が考えても(まともな人間なら)奴隷制度が非道であることは当然だし、南北戦争や、今も続く人種差別の問題等、実情を知る機会は他にもある。

Zip-A-Dee-Doo-Dah歌唱シーンのみですが、YouTubeで観られるようです。


映画 ウォルト・ディズニーの約束


映画「ウォルト・ディズニーの約束」(原題 Saving Mr. Banks)は、ディズニー映画の名作「メリー・ポピンズ」製作の裏話を描いた作品。
アメリカでは2013年末に、日本では2014年、大ヒットした「アナと雪の女王」とほぼ同時期の公開だった。
監督はジョン・リー・ハンコック、ウォルト・ディズニー役にトム・ハンクス、メリー・ポピンズの原作者、P・L・トラバース役にエマ・トンプソンという配役。

ウォルト・ディズニーの約束

これはもしかしてディズニーのこと?というディズニーをパロった映画は数々あるが、ウォルト・ディズニー本人を直接的に描いた映画は珍しいと思う。
主役はディズニーではなくP・L・トラバースなので、ディズニーサイドのエピソードに期待をするとやや期待外れかもしれないが、きちんと真面目に作られた秀作だと思う。

日本での集客を考えた邦題は仕方ないのかもしれないが、内容はまさに原題のSaving Mr. Banks。
(バンクス氏はメリーポピンズがやってくる家の子供達の父親で銀行家)
トラバースの少女時代の父親とのエピソードがドラマの主軸。親と子の赦しの物語だ。
ウォルト・ディズニーと(ディズニースピリッツと)、トラバースは対立し、相容れない人物として描かれるが、片やアニメとテーマパークで、片や小説で果たそうとしたことの原点は、いずれも幸福とはいえない子供時代の呪縛。

よく噂されるウォルト・ディズニーのダークな部分等は一切描かれない。ディズニーサイドの物語はメリー・ポピンズ製作過程に限られているのでそれで良いと思う。ディズニー映画だし。
特にディズニー社が配給を決める以前からあった脚本に文句を言うことはなかったらしいが、唯一ディズニー社が脚本に意見したのはウォルト・ディズニーの喫煙シーンだったそう。
時代も時代だし、別にウォルト・ディズニーが喫煙者と分かっても問題はないと思うが、理由はイメージ云々ではなく、喫煙シーンに厳しいアメリカのレーティングだそうだ。
(レーティングによって劇場鑑賞出来る年齢が制限される)

「アナと雪の女王」の陰でひっそり上映が終わったしまった感があるが、DVDやブルーレイでいつでも観られる作品なので、ディズニーに興味がある人には是非お薦めしたい。
そしてもし、ディズニー映画が嫌いではないのに「メリー・ポピンズ」を未だ観ていないという場合には、併せて観ることをお薦めする。

メリー・ポピンズ