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海外旅行時のクレジットカードと現金


お得なレートで購入出来、紛失時にも安心という理由で長年、海外旅行の際に利用されてきたトラベラーズチェックが無くなってしまった今、渡航先で使えるのはクレジットカードと現金のみ。
トラベラーズチェックの代用としては事実上クレジットカードということになる。
レートがお得ということはないが、紛失時には止めてしまえるという意味では現金よりも安心だ。
カードは不正利用やスキミング等が心配ということもあるかもしれないが、落としたり盗まれたらお終いの現金に比べれば安心度は高い。
国内でもそうだろうが、高額な現金を持ち歩いたり、ホテルの部屋に置いておくよりはリスクが低いことは確かだろう。

クレジットカードのリスクを減らす為には、紛失に気付いたらすぐに止めるということと、確認を怠らないということに尽きる。
ホテル等の請求書は入念にチェックするようにした方がいい。使った覚えの無い項目があればチェックアウトまでに必ず訂正して貰うことが大切だ。
レストランでもショップでも必ずカスタマーコピー(控え)は捨てずに保管しておくようにしたい。後日、カード会社の請求が確定した時に明細と照らし合わせて誤りが無いことを確認しよう。
海外旅行が終わって、旅行時の精算が済んでからも半年間くらいは明細のチェックを怠らないようにしよう。(本来は常にそうするべきだが)
もし身に覚えの無い請求があった場合には、保存してあるカスタマーコピーと照らし合わせて確認し、やはり使った覚えがないとなればすぐにカード会社に連絡しよう。
その請求がどんな店でいつ使われたかはカード会社が調査をしてくれる。行った覚えが無い、使った覚えが無いとなればカード会社が請求をやめるか、間に合わない場合には後日返金となる。
カード会社により対応に若干の違いがあるかもしれないが、返金に応じてくれないということは無いはずだ。
後日カード会社から「確かに自分は使っていない」ことを申し立てる書面が送られてくるので、それに署名捺印等が必要になる。そして不正使用されたカードは破棄され、新たにカードが送られてくるのが一般的だ。
やはりカードはトラブルがあると面倒と思うかもしれないが、手間的にはトラベラーズチェックの再発行に必要な手続きとさほど変わらない。

クレジットカード

ちなみにサインは漢字にした方がより安全。パスポートと照合されることもあるのでパスポートのサインと同一で。

現金もやはり必要。例えばチップやタクシー、バス代、コインランドリー等だ。
タクシー代を除けばいずれも少額な支払いとなるものなので、カードがあれば現金はさほど必要では無い。
現金は為替レートがよほど都合のいい変動をしない限りは、再両替を行うと損してしまう。安心の為に現金を多めに持参したいという場合には、必要と思われる額を現地通貨に両替して持って行き、余分な現金は、もし足りなくなれば現地で両替をするつもりで日本円で持っていくのがいいと思う。現地通貨が余ってしまったら、日本円に再両替するよりも次回の旅行で使った方がいい。

まず旅程の中で絶対に必要となる現金(カード払いが不可能なもの)を計算し、それに多少の額を足した程度の現金と、クレジットカードで旅行に行くのがお薦めだ。
カードは万が一に備えてメインとサブの2枚があれば安心だろう。2枚は別々にしておいた方がいい。(2枚とも同じ財布では落としてしまった時に意味が無い)
最悪の場合、カードが1枚あれば現地のATMでキャッシングし、現金を作ることも出来る。

行き先が米国であればメインのカードはVISAかMaster、もしくはAmerican Express(それらの提携カード)をお薦めする。サブはJCBでもいいだろう。日本人観光客の多くない場所ではJCBが使えない店も多いので、JCBだけでは心許ない。(もちろんハワイやグアムなら平気)


準備その25・海外旅行保険に加入 (オーランド)


10日間程度の海外旅行では特別に海外旅行保険に入ることはない私だが、今回のオーランド旅行は約3週間ということで、海外旅行保険を契約することにした。
普段は所持しているクレジットカードに付帯の海外旅行保険(同居家族への補償も含まれる)で十分と思っているのだが、旅行期間が長ければ長いほどリスクも増すわけで、万が一の安心を担保しておくにはクレジットカードの保険内容では不足と判断したからだ。

今回契約したのはジェイアイ傷害火災保険株式会社の「tabihoたびほ」が提供しているクレカプラスというプラン。
クレカプラスは海外旅行保険が付帯するクレジットカード所持者向けに、足りない補償を追加するという保険だ。
クレジットカードの海外旅行保険で圧倒的に不足しているのは治療・救援費用というものだ。つまり病気や怪我で現地で治療を受けた際の医療費を保障してくれるもの。
私の所持しているカードの場合、これは200万円しか保証されないのだが、これでは十分とは言えない。海外ではちょっとした病気の治療でも数百万円になることは珍しくないので、入院や手術といったことになれば数千万円は無いと安心出来ない。

クレカプラスでは治療・救援費用を無制限にアップグレード出来る。
その他の補償はクレジットカード付帯のものを使う。
オプションで航空機遅延、旅行キャンセル費用、旅行中断費用を付けることも出来る。
航空機遅延は現地や乗り継ぎ地で予定外の宿泊費を補償してくれるもので、旅行キャンセル費用、旅行中断費用は被保険者の急病や事故はもちろん、親族の不幸等で旅行をキャンセル、途中で中断となった場合の旅費を補償してくれるものだ。

クレカプラス

海外旅行保険の付いているクレジットカードを持っている人専用のクレカプラス。

保険は使わないで済めばそれに越したことはないが、万が一の場合には無いと困る。
特に海外旅行保険に限って考えれば一番必要になる可能性が高く、他の保険で補えないのが治療費だ。これを補強してくれる保険商品は有難い。

今回のオーランド旅行では既にディズニークルーズのクルーズ保険には加入しているので、クルーズ保険、クレジットカードの付帯保険、そしてクレカプラスとほぼ万全の補償体制になっていると思う。
保険の代金だけで一人合計2万円以上だが、一日に付き一人千円ほどで旅行代金の補償を含めた安心を買っていると思えば、まあ仕方の無い出費かと思う。

オーランド旅行記 目次


米国の入国審査が自動化された


海外旅行に慣れていない人、特に英語に自信がない場合は入国審査を苦痛に感じる人が少なくないと思う。それにタイミングによっては長蛇の列でうんざりすることも多いはずだ。
それらを一気に解決してくれる素晴らしいシステムの運用がアメリカの各空港で順次稼働し始めた。Automated Passport Control(APC)というものだ。

APCは今までも空港でよく見掛けた自動チェックイン機の様な形をした、自動入国審査機だ。
嬉しいことに日本語に完全対応しているので、スタート時に日本語を選択すれば以降の操作を全て日本語で行うことが出来る。

Automated Passport Control(APC)

近未来的なフォルム。車椅子利用者等の場合は機械自体が上下して高さが変化する。

パスポートを読み込ませ、写真を撮り、質問に答えて行き、指紋のスキャンを行う。
つまり今まで審査官を前にやってきた入国手続きの全てを日本語表示の機械相手に出来るわけで、係官相手に慣れない英語の質問や指示に苦労することも無いわけだ。
無事に全ての手続きが完了すると、レシートが排出されるので、それを係員に渡せば完了だ。
APCでは家族単位で一度に手続き出来るので、一緒に旅行している家族全員で機械の前に行って構わない。

パスポートの文字情報もスキャンして表示してくれるが、誤認識されるケースも稀にあるようなので、その時は自分でスペル等を修正できる。
スキャンした内容に誤りがあると面倒なことになるので、確認画面のチェックはちゃんとした方がいい。

日本人旅行者で、このAPCを使った自動入国審査が出来るのは以下の条件に適合している人のみだ。(米国とカナダのパスポート保持者や グリーンカード保持者は無条件に使える)

  • ESTAを事前申請した旅行者であること(ビザを取得しての入国は不可)
  • 2008年以降にESTAでの米国入国をしたことがあること(つまり初めて渡米した場合や前回の渡米が2007年以前の人、2008年以降に渡米していてもESTA利用以外だった場合は不可)

もし条件に合わない場合や、同伴の家族に条件に合わない者がいる場合は従来通りの入国審査を受ける列に並ぶ必要がある。(条件に適合している場合は迷わずAPCを使った方がいい。多少の行列が出来ていたとしても、従来の係官による入国審査に並ぶよりは確実に早いはずだ)
APCを使えないとしても、APC導入によって行列の待ち時間が短縮されているので恩恵には与れる。

無事にAPCの利用が出来ても、出てきたレシートにバツ印が付いた場合は通常の入国審査を受け直さなければならない。バツが付いたからと言って入国を拒否されているわけではなく、何等かの理由で追加の質問を必要と判断されたか、無作為に選出されてしまったかのいずれかだ。

完全に自動化されたとは言っても人の目を使った審査は行われている。
無事にバツの無いレシートを受け取っても、それを係官に渡す際に挨拶程度に簡単な質問をされることもある。「何処へ行くの?」とか「日本人ですか?」等だ。
それに答えられないと「ちょっと待って」ということもあるので無視しない様にしよう。

APCの導入で入国審査の行列や待ち時間はかなり緩和されているとのことだ。
今現在でもアメリカの主要空港の多くで既に設置が完了しているので、今後もどんどん稼働空港は増えていくと思う。(2015年6月現在、日本人がよく利用すると思われるロサンゼルス、シアトル、アトランタ、オーランド、シカゴ、ダラス、デトロイト、ニューヨークJFK、ヒューストン、ワシントン等の空港に設置が完了している)