娘と私の二人きりの暮らしが始まってから、多くの旅を共にしてきたが、今回のジョージア州アセンズへの旅は、これまでとは全く違う意味を持っている。
観光ではなく、彼女の新しい生活が始まる旅。
アセンズへの足をどう確保するか
二泊のアトランタ滞在を終え、次に向かうのはジョージア大学(UGA)のある街、アセンズ(Athens, Georgia)だ。
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(Hartsfield-Jackson Atlanta International Airport)からは、グルームシャトル(Groome Transportation)という乗り合いバスを利用した。
日本から事前に公式サイトで予約しておいたのだが、料金は一人約50ドル。つまり二人で約100ドル。ネット決済時にチップも合算して支払えるため、当日の支払いを気にしなくて済むのがいい。
UberやLyftでも100ドル程度で行ける時間帯もあるだろうが、留学用の大型スーツケースが複数ある場合は、大型のUberXLなどを呼ばなければ無理だろう。それだと200ドル近くはかかるだろうし、長距離ゆえの配車拒否のリスクも考えると、やはりシャトルバスが最も賢明な選択だったと思う。
アトランタ空港のバス乗り場で。バスサービス毎にレーンや番号が別れている。
約90分の移動後、シャトルの停留所から宿泊先の「ホリデイ・イン エクスプレス アセンズ」までは歩いて20分ほどだと思うが、荷物の多さを考えると歩く気にはなれず、Lyftを利用した。
距離は短かったので、チップ込みでも10ドル弱。ライドシェアは本当に重宝する。
大学と提携したホテルの利用
今回の宿泊には少し工夫をした。娘は翌日から始まる留学生オリエンテーションの間、大学が提携しているこのホテルに滞在することになっていた。他の学生との相部屋だが、格安で泊まれるプランだ。
私たちはその前日に同じホテルを独自に一泊分予約しておいた。つまり、一度私と一緒に一泊し、翌朝チェックアウトしてから、彼女だけが「学生」として再度チェックインする形をとったのだ。親子で過ごす最後の時間を確保しつつ、荷物の移動を最小限に抑えるための策だった。
広大すぎるキャンパスと、学生街の空気感
チェックインまでの間、街とキャンパスの下見に出かけた。
アセンズは、まさに「カレッジタウン」と呼ぶにふさわしい落ち着いた街だ。
日用品の入手に役立ちそうなのは、CVS(日本のコンビニ、もしくは小型スーパーのようなドラッグストアチェーン)や小さめのターゲット(日用品や食料品を取り揃えた有名スーパー)。
それ以外は飲食店が軒を連ね、レコード屋や小さな映画館が学生街らしい彩りを添えている。
また、街の至る所にバーがあるのも印象的だった。UGAは全米でも屈指のアメフト強豪校であり、試合がある日はこの街がどれほどの喧騒に包まれるのか、想像に難くない。
キャンパス散策の途中で。
大学の敷地内は、とにかく広い。
街の通りに面した、象徴的な「アーチ」から、娘が住むことになる寮まで実際に歩いてみたが、軽く40分はかかった。
歴史を感じさせる趣ある建物が並ぶ光景は圧巻だが、慣れないうちは校舎の多さに戸惑うだろう。
大学を象徴する、トレードマークにもなっているアーチ
幸い、学内には学生・教職員向けの無料バス(UGA Campus Transit)が複数のルートで走っており、これは誰でも利用できる。
さらに街を走る市バスも、現在は近場であれば無料で乗れるようだ。この広大なキャンパスにおいて、バスの活用は必須と言える。
残念ながら学食(Dining Services)はまだ営業していなかったが、娘が契約したプランにはゲストを2回招待できる権利がついているという。
ビュッフェスタイルのカフェテリアが4箇所もあり、他にも「チキフィレ(Chick-fil-A)」や「パンダエクスプレス」、さらには「ふじさん」という和食店まで入っている。
彼女が大学を離れるまでに、一度は娘の案内で食事をしてみたいものだ。
デジタル環境の構築
留学生活の命綱となるスマートフォンについても、準備を整えた。 娘は「ミントモバイル(Mint Mobile)」という現地のサービスを選んだ。
彼女のiPhoneは物理SIMとeSIMの両方を同時に使えるため、物理SIMには日本の「ahamo」、eSIMに現地の「ミントモバイル」を割り当てた。
日本の番号へのショートメール認証が必要なサービスを維持しつつ、アメリカ国内ではデータ無制限で安価に利用できるこの構成は非常に合理的だ。
学生向けのキャンペーンも適用され、年間プランで見れば、日本で提供されている海外用eSIMなどよりも圧倒的に安い。
一方で、私はahamoをそのまま利用している。
追加料金なしで2週間海外ローミングが使えるこのサービスは、短期の旅行や今回のような付き添いには最適で、もはやモバイルルーターを借りる必要性を感じない。
ちなみに、寝具などの生活用品の多くは米国Amazonで調達した。
日本のPrimeアカウントはもちろん使えないので、米国Amazonの学生用アカウントを取得した。学生はPrime Studentが半年間無料とのことで、こうした特典を賢く使うのも留学生活のコツだろう。
予期せぬ「本物の味」との出会い
夕食は、街にある「JINYA Ramen Bar」という店(全米で展開するチェーンらしい)を選んだ。
注文したのは豚骨ラーメンと餃子、そして白米。あまり期待していなかったが、食べてみて驚いた。
JINYAのラーメンと餃子。日本酒も各種あった。
日本で普通に食べているものよりも明らかに美味しいのだ。麺の質感、スープの深み、どれをとっても日本の一線級の店に引けを取らない。
アメリカの外食価格の高さ(ラーメン1杯で20ドル前後、つまりその時のレートで3,500円くらい)にも、改めて驚いたが…。
全米で展開しているらしいが、初めて食べた。店の前にて。
ホテルに戻り、夜、一人でロビーにある無料のコーヒーもらいに行くと、各国から集まった留学生たちで賑わっていた。
明日からは、いよいよ留学生オリエンテーションが始まる。
私はチェックアウトしてアトランタへと戻るが、彼女の留学生活が一生の思い出となるような、充実した日々となることを祈るばかり。
今回の旅で娘と過ごす最後の夜が終わった。
