【留学冬休み旅行記】エピック・ユニバース全ポータル制覇

ユニバーサル・オーランド・リゾートに4つ目のテーマパークが加わったのは2025年5月。その名はユニバーサル・エピック・ユニバース(Universal Epic Universe)
既存のパーク群とは、車で約15分ほど離れた場所に建設された、広大な新パークだ。

私たちは宿泊先のカバナ・ベイ・リゾートから専用シャトルで向かった。
ホテル宿泊者はアーリーエントリー(Early Entry)が使えるため、開園前から園内に入ることができる。

エピック・ユニバースに着いた。今回のテーマパーク巡りで一番期待していた場所だ。

エピック・ユニバースの基本構造について少し触れておく。
パークの中心はセレスティアルパーク(Celestial Park)と呼ばれる広大な庭園エリアで、ここから4つの「ポータル(portal)」と呼ばれる入口を通って、それぞれ完全に異なる世界観のエリアに入る仕組みだ。
4つのエリアとは、ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター──マジスタリー(The Wizarding World of Harry Potter – Ministry of Magic)、ダーク・ユニバース(Dark Universe)、ハウ・トゥ・トレイン・ユア・ドラゴン──アイル・オブ・バーク(How to Train Your Dragon – Isle of Berk)、スーパーニンテンドー・ワールド(Super Nintendo World)。

各ポータルの向こう側は、外の世界から完全に視覚的に切り離されている。
別のエリアの建物が見えてしまうようなことがない。
この設計がイマージョン(没入感)を徹底させている。

ポータルと呼ばれる門を潜ると、その世界に入るという演出。

全てが初体験となるこの日のために、エクスプレスパスを購入した。
私たちが訪れるタイミングでは、当初エクスプレスパス対象外だったハリーポッターのメインアトラクション「ハリーポッター・アンド・ザ・バトル・アット・ザ・ミニストリー(Harry Potter and the Battle at the Ministry)」と、ドンキーコングのコースターも対象に加わっていた。この情報がエクスプレスパス購入の決め手になった。

セレスティアルパーク:スターダスト・レーサーズ

アーリーエントリーで最初に向かったのが、セレスティアルパークのシンボル的コースター、スターダスト・レーサーズ(Stardust Racers)だ。

このコースターは開業後まもない2025年9月に、乗客が意識を失い搬送後に死亡するという事故が発生した。
約2週間の運休を経て、パーク・メーカー・ライド社(Mack Rides)の調査や独立した専門家による検証も含む包括的な審査の結果、設備の異常はなかったとして2025年10月4日に運行が再開された。
私たちが訪れたのはその後だったが、やはり乗る前に少し気持ちが揺れたのは正直なところだ。

スターダスト・レーサーズは2本のコースターが同時に走り、ループやダイブをしながら互いに交差する「デュアルローンチコースター」。
最高時速は約100km、最大高度は約40メートル、レールの総延長は約1,500メートル。
交差する瞬間の演出「セレスティアルスピン」が売りで、昼と夜で雰囲気が大きく変わるという。

実際に乗ってみると迫力は十分。
最新のコースターらしくほとんど振動がなく、速度と高さで純粋に楽しませてくれる。
ただスピードが速すぎて、2本が交差する演出の細部はよく分からなかった。
夜の再乗車に期待して、ひとまず消化。

ハリーポッター──マジスタリー

アーリーエントリーを活かして次に向かったのはハリーポッターのエリア。
ポータルをくぐると1920年代のパリが目の前に広がった。
石畳の路地、オスマン様式のファサード、魔法使いたちが行き交う隠れた広場「プラス・カシェ(Place Cachée)」。
ホグズミードやダイアゴン横丁とはまた違う趣で、エリア全体の作り込みが凄い。

ハリーポッターのエリア、1920年代のパリの作り込みは圧巻。

目当てのメインライド、ハリーポッター・アンド・ザ・バトル・アット・ザ・ミニストリーには、アーリーとエクスプレスパスで2回乗るつもりでいた。
しかし列の進み具合を見ると、相当な待ち時間になりそうだった。
時間固定のショー、ル・シルク・アルカナス(Le Cirque Arcanus)を先に消化しようと判断し、列に並び直した。

ル・シルク・アルカナスは、ファンタスティック・ビースト(Fantastic Beasts)シリーズに登場するサーカス団「サーカス・アルカナス(Circus Arcanus)」を題材にしたフルスケールのステージショー。
ライブパフォーマー、空中アクロバット、精巧な操り人形(パペット)、特殊効果が組み合わさった約20分の公演だ。
ニュート・スキャマンダーを演じたエディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)の新撮映像も使われている。

開演直前というタイミングで、スタッフから中止のアナウンスが入った。
理由の説明はなかった。
ここでかなりの時間をロスしてしまったが、中止は仕方ない。

気を取り直してエクスプレスパスでメインライドへ。

待ち列の途中には魔法省(Ministry of Magic)の内部が精巧に再現されており、乗車前の見どころとしても楽しめた。

魔法省内部の作り込みも凄い。


ライドそのものは全方向に動く乗り物で、ハリー、ハーマイオニー、ロンと一緒にアンブリッジを追う、というストーリー。
映像・音響・物理的な動きの連携は申し分ない。
ただ、アイランズ・オブ・アドベンチャーにある既存のアトラクション「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー(Harry Potter and the Forbidden Journey)」の完成度が高いため、期待値がそこに合わせて高くなっていた分、驚きは想定内だった。

ル・シルク・アルカナスは、後ほど中止が解除されてから改めて鑑賞することができた。
アクロバット、パペット、照明演出が組み合わさったショーで、思った以上に見ごたえがあった。

ル・シルク・アルカナスの前。外観はサーカスのテント。

朝食兼昼食は、セレスティアルパーク内のレストラン、ピザ・ムーン(Pizza Moon)でとった。
スーパーニンテンドー・ワールドのポータル近くに位置する、1900年代初頭のヴィクトリア朝劇場を改装した設定のピザ屋だ。
まだ早い時間帯だったため店内は空いており、ゆっくりと食事ができた。

ピザ・ムーンの内装も素敵だ。ピザは一つで十分だった…

ヒックとドラゴン──アイル・オブ・バーク

ハウ・トゥ・トレイン・ユア・ドラゴン──アイル・オブ・バーク(How to Train Your Dragon – Isle of Berk)は、日本ではあまり知られていないドリームワークスのアニメ「ヒックとドラゴン」シリーズを題材にしたエリアだ。
バイキングの村「バーク(Berk)」の世界観で統一されており、木造の建物、巨大なドラゴンの彫像、海賊船のような構造物が並ぶ。

このエリアでは、ライブショー「ジ・アントレイナブル・ドラゴン(The Untrainable Dragon)」と、水鉄砲で的を狙うボートライド「ファイアー・ドリル(Fyre Drill)」を体験した。

ジ・アントレイナブル・ドラゴンは、全長1,157ポンド(約525kg)、翼幅約8メートルのトゥースレス(Toothless)が客席の上空を飛翔する場面が圧巻のライブショー。

ファイアー・ドリルはバイキング船型のボートに乗り込み、炎をかたどったターゲットに向かって水を発射しながら進むアトラクション。
他の船と競いながら水を掛け合う仕組みで、濡れることは覚悟の上で乗った方がいい。
確かに濡れたが、ずぶ濡れという程ではなかった。

ファイアー・ドリルはバイキング船型のボートに乗って水を撃つ。

スーパーニンテンドー・ワールド

スーパーニンテンドー・ワールドは、パーク内で最も色鮮やかなエリアだ。
マリオの世界をそのまま立体化したような造形と、至る所にあるインタラクティブな仕掛けが特徴。大阪のUSJとほぼ同じ。

スーパーニンテンドー・ワールドのポータル。

エクスプレスパスを活用して、マリオカート:ボウザーズ・チャレンジ(Mario Kart: Bowser’s Challenge)、ヨッシーズ・アドベンチャー(Yoshi’s Adventure)、そしてエリア奥のドンキーコング・カントリーにあるマイン・カート・マッドネス(Mine-Cart Madness)に乗った。

マイン・カート・マッドネスは、途中でレールが途切れてコースターがジャンプするように見える仕掛けが映像では面白そうだったが、実際に乗ってみると身体が感じる感覚としてはそれほどの衝撃ではなかった。
楽しいライドではあるが、映像から想像していた驚きはない。

ダーク・ユニバース──夜のための世界

日没後に合わせてダーク・ユニバース(Dark Universe)を訪れるつもりで、このエリアを最後にした。
このエリアの演出は夜の方が映えると感じていたからだ。

ダーク・ユニバースの舞台は「ダークムア(Darkmoor)」という架空のゴシック村。
フランケンシュタイン、ドラキュラ、狼男(ウルフマン)といったユニバーサル・クラシックモンスターを題材にしながら、新しい物語も加えた世界観だ。
エリアのシンボルはフランケンシュタイン・マナー(Frankenstein Manor)という館で、ここにメインライドが収められている。

モンスターズ・アンチェインド:ザ・フランケンシュタイン・エクスペリメント(Monsters Unchained: The Frankenstein Experiment)は、KUKAロボットアームを使った全方位型ライドに14体の大型アニマトロニクスが組み合わさった、このパーク最高峰のアトラクション。
フランケンシュタインの末裔であるヴィクトリア博士の実験室に潜入し、ドラキュラが脱走したことで引き起こされる混乱から逃げるというストーリーだ。

実際に乗ってみると、これが今日1日で最も楽しかったかもしれない。
フォービドゥン・ジャーニーのライド技術とスパイダーマンのライドのスケール感を融合させ、さらに進化させたような感触だった。
列の回転も速く、エクスプレスパスとスタンバイで2度乗った。

カース・オブ・ザ・ウェアウルフ(Curse of the Werewolf)は、狼男に追われながら森の中を駆け抜けるスピニングコースター。
適度なスリルがあり、ダーク・ユニバースの世界観とよく合っていた。

このエリアの見どころのひとつが、燃える風車「バーニングウィンドミル(Burning Windmill)」。
ザ・バーニング・ブレード・タヴァーン(The Burning Blade Tavern)の前にある風車で、定期的に炎が上がる演出がある。
昼間でも見られるが、夜に来て正解だった。

燃える風車、バーニングウィンドミル。一定時間ごとに燃え上がる。

夕食はダス・ステイクハウス(Das Stakehaus)で。ヴァンパイアの家来たちが経営するという設定のクイックサービスレストランで、黒いバンズのバーガー、ケバブ、サンドイッチなどが並ぶ。
ゴシック調の内装と吸血鬼をテーマにしたアート作品で統一されており、料理を待ちながらでも飽きない。
名前は「ステーキ」と「杭(ヴァンパイアを退治する方法)」をかけたダジャレ。

ダス・ステイクハウスの黒いバンズのバーガー

セレスティアルパークへ戻る

全ポータルを制覇して、改めてセレスティアルパークへ。
夜の照明に映えるスターダスト・レーサーズに再び乗った。
ライトアップされたコースターを外から見ると確かに美しいが、乗っている最中にその美しさを感じられるかというと別の話だ。

時間が少し余ったので、コンステレーション・カルーセル(Constellation Carousel)に乗ってみた。
天体と星座をモチーフにした大型カルーセルで、各乗り物が前後左右・360度回転と複雑な動きをする。
固定された状態でただ回るだけの普通のカルーセルとは全く違う不思議な乗り心地だった。乗って良かった。

締めくくりとして予定していた噴水ショーは、途中から雨が降り出して、徐々に雨脚が強くなり、ショーが続く中で退散するはめになった。

お土産に記念のマグネットだけ購入して、シャトルバスでホテルへ戻った。

エピック・ユニバースの一日を終えて、帰路に着く。

エピック・ユニバース訪問のポイント

このパークを訪れてみて感じたことをまとめておく。

まず、作り込みの密度は本物だ。
特にハリーポッターとダーク・ユニバースのエリアは、細部の作り込みが際立っていた。ポータルをくぐる瞬間に世界が切り替わる設計は、独自の没入感がある。

一方で、各エリア間の移動距離が相当ある。
全てのポータルを1日で回るとなると、移動だけでもかなりの体力を消耗する。行き来を避けてエリアごとに順番に消化する方が効率的だ。

アトラクション自体は、どれも高品質ではあるが、既存のアトラクションに似た構造のものが多い。
ハリーポッターのライドやドンキーコングは「期待していたほどではなかった」という感想が正直なところ。モンスターズ・アンチェインドは、楽しかった。

エクスプレスパスの効果は大きい。
このパークではなおさら、購入しておいて損はない。
ただし全アトラクションに対応しているわけではないので、事前に確認しておくべき。

カバナ・ベイ・リゾートなどの公式オンサイトホテルに宿泊すれば、アーリーエントリーとシャトルバスを活用できる。
他のユニバーサルパーク向けの「コンプリメンタリー・エクスプレス・アンリミテッド」は、まだエピック・ユニバースには適用されないので注意。
エクスプレスパスは別途購入が必要だ。

翌日は、アイランズ・オブ・アドベンチャー(Islands of Adventure)とユニバーサル・スタジオ・フロリダ(Universal Studios Florida)を1日でこなす予定。
エクスプレスパスなし、アーリーエントリーのみで攻略する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です