ディズニー・クルーズ・ライン(Disney Cruise Line)の4泊5日クルーズが始まる。
娘の交換留学中に過ごした冬休みの旅の、最後の章だ。
コースはポート・カナベラル(Port Canaveral)を出港し、バハマのナッソー、ルックアウト・ケイ、終日航海日を経て、1月9日に下船する4泊5日の行程。乗船するのはディズニー・ウィッシュ(Disney Wish)、2022年7月就航のディズニー・クルーズライン第5船だ。
10年前、2015年に乗船したディズニー・ドリーム(Disney Dream)は5泊6日だった。あの時10歳だった娘は、20歳になった。
Uberドライバーのトラブルと、スタッフの対応
宿泊していたカバナ・ベイ・ビーチ・リゾート(Cabana Bay Beach Resort)からポート・カナベラルへは車で1時間弱。
チェックアウト後、UberでポートカナベラルのCruise Terminal 10(クルーズ・ターミナル10)へ向かった。
カバナベイの玄関脇に停められているビンテージカー。本当にいいホテルだった。
港に近づいたところで、予期しないことが起きた。
ライドシェアの乗降場所をめぐってドライバーとクルーズスタッフが揉め始め、ドライバーが激怒。
スタッフの静止を聞かず、私たちの荷物をその場に降ろしたまま走り去ってしまった。
あのようなドライバーに当たったのは初めてで、困惑した。
すぐにディズニー・クルーズラインのスタッフが声をかけてくれた。「大丈夫です、ここでちゃんと手続きできるから安心して」と、落ち着いて対応してくれた。
ポーターもその場に来てスーツケースを受け取ってくれ、事なきを得た。
こういう場面でのスタッフの動きは、ディズニー・クルーズラインらしいと感じた。
ターミナルとチェックイン:ターミナル10の注意点
現在ポート・カナベラルでは、ディズニー・クルーズライン専用のTerminal 8(ターミナル8)と、他のクルーズ船と共用のTerminal 10(ターミナル10)が使用されている。
今回乗船するディズニー・ウィッシュはターミナル10の使用だった。
ターミナル8には乗船口がミッキーマウスのシルエット型になった、ディズニー・クルーズライン専用の特徴的な施設がある。
ターミナル10にはそれがないため、少し寂しい。
どちらのターミナルに割り当てられるかは船と航海日によって異なり、事前にDisney Cruise Line Navigatorアプリで確認できる。
チェックインと乗船手続きに必要な書類は以下の通り。
米国市民またはESTAで渡航する場合は有効なパスポートとESTAの確認番号。
ビザ保有者の場合は有効なパスポートとビザ原本。F-1ビザ・J-1ビザなどの非移民ビザで滞在中の場合は、ビザに付随する書類(I-20またはDS-2019)の提示を求められることがある。
バハマへ向かうクルーズはアメリカ国外への渡航となるため、入国審査の観点から書類の確認が厳しくなる。
娘のJ-1ビザに付随するDS-2019(交流訪問者プログラムの証明書類)はカウンターで詳細に確認された。
私はESTAだったため、オンラインで事前に手続きを完了していた。
必要書類を揃えていれば手続きは問題なく進む。
乗船番号を受け取り、コールされたら乗船する。
ポート・カナベラルのターミナル10にて
キャスタウェイ・クラブ:リピーター向けメンバーシッププログラム
今回の私たちはキャスタウェイ・クラブ(Castaway Club)のシルバー会員として乗船した。
キャスタウェイ・クラブはディズニー・クルーズラインのリピーター向けメンバーシッププログラムで、乗船回数に応じてシルバー(1~4回乗船)、ゴールド(5~9回乗船)、プラチナ(10~24回乗船)、パール(25回以上乗船)とランクが上がる仕組みになっている。
会員特典として、一般ゲストよりも1日早いオンラインチェックイン、ポートアドベンチャー(船会社主催のオプショナルツアー)の早期予約などがある。
また、トートバッグやランヤードなどの記念品も贈られる。
10年前に乗船した記録がきちんと残っており、その時のキャビン番号まで確認できた。
ただし、上位ランクの会員が多い航海では一番早い乗船時間を確保しにくくなる。
今回は12時45分が最も早く取れた時間だった。
乗船:グランド・ホールへ
乗船する時、ファミリーネームをコールしてくれるあの儀式は今回も変わらない。
ディズニー・ウィッシュは全長約341メートル、1,250室のステートルームを擁する。全体のテーマは「エンチャントメント(魔法)」で、シンボルキャラクターはシンデレラとラプンツェルだ。
フォト・パッケージだけは購入したので、写真はどんどん撮ってもらう。
グランド・ホール(Grand Hall)は4層吹き抜けのアトリウムで、白い螺旋階段と金色の装飾が印象的。
中央のガラスケースにはシンデレラの魔法の杖が収められ、その前にはシンデレラの銅像が鎮座している。
今回は乗船前から公式カメラマンに撮影してもらえるパッケージ、「ダウンロード・フォト・パッケージ」(すべての写真をデータでダウンロードできるオプション)のみ購入した。
10年前は全写真がプリントで渡され、デジタルデータ希望者は下船時にCDロムで受け取る形式だった。時代の変化を感じる。
船内探索:イマジニアリング・ラボ、スター・ウォーズ・ラウンジ、子供向けエリア
乗船後は船内を順番に回った。
ウォルト・ディズニー・イマジニアリング・ラボ(Walt Disney Imagineering Lab)は体験型の展示スペースで、ディズニー・ウィッシュの精巧なミニチュア模型が展示されている。
壁には世界各地のディズニーリゾートの現地時刻を示す時計が並ぶ──アナハイム、オーランド、パリ、香港、上海、そして東京。
スター・ウォーズ:ハイパースペース・ラウンジ(Star Wars: Hyperspace Lounge)はスター・デストロイヤーの艦橋を模した有料バーラウンジ。
スター・ウォーズファンには外せないエリアだ。
ディズニーズ・オせアニア・クラブ(Disney’s Oceaneer Club)内のミッキー&ミニー・キャプテンズ・デッキ(Mickey & Minnie Captain’s Deck)は子供向けプレイエリアで、ミッキーマウスの船長室をイメージした空間が広がる。
乗船直後から下船前の短い時間帯だけ大人も入場できるオープンハウスの機会がある。
ひと通り見て回っていた。施設は10年前のドリームよりさらに充実していた。
美女と野獣の部屋
ドアデコレーション
ディズニー・クルーズラインでは、乗客が自分の客室ドアに磁石で飾り付けをする文化が定着している。
私達も複数のマグネットを準備していったが、ほとんどは10年前に使ったもの。それに少しだけ新しく作ったマグネットと、正月飾りなどを貼り付けた。
ドアデコレーションはほぼ10年前のものを再使用。
今回はフィッシュ・エクステンダー(Fish Extender)には参加しなかったが、代わりに「ピクシー・ダスト(Pixie Dust)」と呼ばれる、参加者が自発的に小さなプレゼントをドアにかけ合う新しい文化が船内に広がっていて、気づくと見知らぬ誰かからの小さなおまけがドアに添えられていた。
ランチ:マーセリン・マーケット
乗船後のランチはマーセリン・マーケット(Marceline Market)で済ませた。
ビュッフェスタイルのカジュアルダイニングで、サラダ、グリル、ピザ、アジアン料理など複数のステーションが設けられている。
マーセリン・マーケットは窓際の席がやはり雰囲気がいい。
「Marceline(マーセリン)」はウォルト・ディズニーが4~9歳ごろ(1906~1911年)を過ごしたミズーリ州の小さな町の名前で、後年「ディズニーランドのメイン・ストリートUSAはマーセリンがモデル」とウォルト自身が語ったとされる。
種類は豊富で、乗船直後の混雑の中でも比較的ゆっくり食べられる。
別途アッパーデッキには「ミッキー&フレンズ・フェスティバル・オブ・フーズ(Mickey & Friends Festival of Foods)」も設けられており、外の景色を眺めながら食事したい場合はそちらも選択肢になる。
出港パーティーと避難訓練
出港前に全員参加が義務付けられたミュスタード・ドリル(Muster Drill:避難訓練)がある。
指定された時間に指定の場所に集合し、スタッフの説明を聞くだけだが、参加しないと後で呼び出されるため必ず参加しておく必要がある。
避難訓練が終わると、アッパーデッキで出港パーティーが始まった。
できるだけ前方に場所取りをする。
カウントダウンが始まり、ディズニー・ウィッシュの汽笛がディズニー曲のメロディーを奏でた。
青空の下に黄色いアクアマウスのチューブと赤い煙突が鮮やかに見えた。
大型スクリーンに映像が流れ、乗客が手を振る。
ディズニー・クルーズラインならではの演出。
出港パーティー前のデッキ
客室:カテゴリー7C バルコニー付きステートルーム
客室はデッキ7の7642号室、カテゴリー7C(バルコニー付きオーシャンビュー)だ。
室内はシンデレラをテーマにしており、ヘッドボードにはシンデレラ城の夜景アートが施されている。
バルコニーからは大西洋が見渡せ、出港直後はポート・カナベラルの施設を眺めることができた。出港後、部屋に戻るとタオルアートとチョコレートが置かれていた。
毎晩ルームスチュワードが異なる形のタオルアートを用意してくれるのが、ディズニー・クルーズラインの伝統だ。
ディナー:1923レストラン
夕食はローテーションダイニング初日、1923(1923レストラン)だった。
ディズニー・ウィッシュのローテーションダイニングは3つのレストランを毎晩ローテーションする仕組みで、担当ウェイターが毎回ゲストに同行する。
今回回るレストランは1923、ワールズ・オブ・マーベル(Worlds of Marvel)、アレンデール:ア・フローズン・ダイニング・アドベンチャー(Arendelle: A Frozen Dining Adventure)の3つだ。
4泊5日の場合、いずれかを2回利用することになる。
1923という名称はウォルト・ディズニー・カンパニーの創業年に由来する。
レストランは「ウォルト・ディズニー・ルーム」と「ロイ・ディズニー・ルーム」という2つのダイニングルームに分かれており、どちらに案内されるかはローテーションによって異なる。
両ルームで展示されているアニメーション資料の時代が違うため、機会があれば両方を見ておくといい。
内装はアールデコを基調とした落ち着いたデザインで、1,000点以上のディズニーアニメーションの小道具やスケッチがガラスケースに展示されている。
今回の私たちはロイ・ディズニー側に案内された。
ローテーションの中では、1923が一番落ち着いて食べられるレストラン。
相席は、アジア系のお父さんと息子の二人家族だった。
6人掛けのテーブルに4名の着席で、中央にゆとりがある形。
担当ウェイターは最終日まで変わらず、このメンバーも変わらない。
夜のキャラクターミートとショー
キャラクターグリーティングは時間と場所、キャラクターがDisney Cruise Line Navigatorアプリで確認できる。
大体10分前くらいに行けば、そう長く待たずに写真を撮ることができる。
ドナルドとグリーティング。カメラマンにも撮ってもらえるし、自分たちのスマホでも撮ってくれる。
続いてウォルト・ディズニー・シアター(Walt Disney Theatre)で乗船初日のショー「ディズニー・シーズ・ジ・アドベンチャー(Disney Seas the Adventure)」を観た。
キャプテン・ミニーとグーフィーが主役のオリジナル・ミュージカルレビューで、上演時間は約30分だ。
ウォルト・ディズニー・シアターはデッキ3~4にまたがる1,274席のシアター。
ファンタジアをモチーフにした有機的なデザインが天井を覆い、ドルビー・アトモス(Dolby Atmos)3Dオーディオシステムを搭載している。
席の確保については、今回も10年前も、私たちは2階席の最前列にいつも座っている。
1階入口は開場前から混雑するが、2階の入口は開演直前まで比較的空いている。
2階最前列は舞台全体を俯瞰でき、視界を遮るものがない。
開演10分前に2階入口へ向かえば、ほぼ確実に最前列を確保できる。
ウォルト・ディズニー・シアターの2階最前列。
ディズニー・ウィッシュの上演演目は全3本。
初日が「ディズニー・シーズ・ジ・アドベンチャー」(約30分)、2日目が「ザ・リトル・マーメイド(The Little Mermaid)」(約60分、ウィッシュ専用のブロードウェイ式舞台)、3日目が「ディズニーズ・アラジン──ア・ミュージカル・スペクタキュラー(Disney’s Aladdin – A Musical Spectacular)」。
各演目は夕食の時間帯に合わせて1日2回上演される。ファーストシーティング(第1回転)のゲストはショーが食後になる。私たちはファーストシーティング。
ショー終了後、デッキへ出た。
月が出ていて、海面に光の道が一本伸びていた。
ウィッシュから月を見る。
明日はナッソーに寄港する。ナッソーも10年ぶりだ。
